2023-11-21
第9回 節税・節保シリーズ④ 減価償却資産 中編!(貸借対照表)
中小企業の経営者の皆さんに、より役立つ情報をお届けいたします。
前回からの続きで、下記の10個のカテゴリーに分けて70個前後の、お金が残る節税案をご紹介いたします!
損益計算書項目の、①売上・仕入原価、②給与、③その他経費項目、
貸借対照表項目の、④減価償却資産、⑤棚卸資産、⑥有価証券、⑦その他の資産、
組織的全般項目の、⑧税率・欠損金、⑨来期以降の決算に向けて、⑩M&Aの検討。
また、経済産業省が中小企業を後押しするために、国が公認している中小企業に優遇されている
節税策を紹介しているパンフレットデータがあります!毎年9月頃発行されていて、このブログの概要欄にURLを
貼り付けておくので、顧問税理士さんのご案内が無い場合が多いので、見ておいてくださいね♪
令和5年度版:中小企業税制→こちら
今回の目次は、コチラ。貸借対照表項目から、減価償却資産に関する6個の節税案です!
Q46.所得税や法人税の、税額控除ができる設備投資や、設備の購入価額の全額を、費用計上できる手続きはある?
Q47.30万円以上の工具・器具備品を取得する予定はありますか?
Q48.60万円以上の建物付属設備を取得する予定はありますか?
Q49.70万円以上のソフトウェアを取得する予定はありますか?
Q50.120万円以上の測定工具、検査工具を取得する予定はありますか?
Q51.160万円以上の機械を購入する予定はありますか?
Q52.車両総重量3.5t以上の、普通貨物自動車を購入する予定はありますか?
Q53.特定の地方・地域にて、建物や付属設備を含む、2000万円以上の設備投資計画がありますか?
Q54.自然災害や感染症の「予防」のために計画している設備投資はありますか?
Q46.所得税や法人税の税額控除ができる設備投資や、設備の購入価額、全額を費用計上できる手続きはある?
ずばり、「中小企業経営強化税制」を検討だぜ!
経済産業省に、通称「経営力向上計画」の計画申請の認定を受けるなどすれば、一定規模であれば10%の税額控除、若しくは、購入価額が数千万円だろうが、1億円だろうが、全額!費用計上できてしまうんだぜ!
経済産業省は、設備投資を促して景気を良くしたい、という思いがあるんだぜ。そこで、企業が事前に計画を作成。この計画を「経営力向上計画」と呼ぶんだが、この計画を作成する前提で、積極的に設備投資をしてもらうために、設備投資等をA~Dの4つの類型に分類して、税制上の恩恵を用意しているんだぜ!
手順としてまず、設備投資に対して、どの類型で手続きをするか、決める必要があるぜ。
まず、機械装置など単体申請であれば、A類型申請だぜ。
「A類型」であれば、購入先から「工業会などから生産性向上の証明書」が出るか。
この証明書が出るかがポイントとなるのが、A類型申請だぜ!
「B類型」であれば、工場や営業店舗などへ附属設備や工具器具備品を一式で設備投資をしたい時に、一つ一つ証明書を取ることが面倒であったり、工業会からの証明書が出ない場合は、このB類型の手続きをしていくんだぜ。
税理士などの認定支援機関と経済産業省に、年平均:投資利益率5%出る計画の確認書を発行してもらう必要があるぜ。
C類型は、事業プロセスの①遠隔操作、②可視化、③自動制御化のいずれかを可能にする設備投資で、色々なデジタル化を進めていくにあたって、不可欠な投資向けだぜ。これも、税理士などの認定支援機関と経済産業省に、投資計画の確認書を発行してもらう必要があるぜ。
「D類型」は、経営力向上計画に記載された、事業承継・M&Aの計画で買収したあとに複雑な要件をクリアする設備投資や、株式を取得した場合に、設備投資額からの税額控除の恩恵や、株式の取得価額の70%を税金税金計算上の利益から控除してくれる巨額の節税メリットが受けれるのが「D類型」の特徴だぜ。
恩恵を受けれる、消耗品や設備の種類は、次のクエスチョンから具体的に紹介していくぜ!
(中小企業庁:経営力向上計画認定の支援措置活用の手引き(R5年版))→こちら
(中小企業庁:経営力向上計画・策定の手引き(R5年版))→こちら
Q47.30万円以上の工具・器具備品を取得する予定はありますか?
はい!の方は、経営力向上計画の認定を受けるなどすれば、資本金3,000万円以下であれば、10%の税額控除若しくは購入価額を全額!費用計上できるぜ!
Q46で紹介した要件と合わせて、青色申告書を提出する①中小企業者等が、②指定期間内に、③認定を受けた経営力向上計画に基づき、④一定の設備を新規取得等して、⑤指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができるぜ!
器具・備品であれば、30万円以上する資産であれば、
1. A~D類型の申請要件に該当する
2. 経営力向上計画の認定を受ける
3. さっきの①~⑤の要件に該当すること、
その他にも細かい要件があるけど、それらをクリアすれば、上記、節税の恩恵を受けることができるので、税制支援措置活用の手引きを確認するのと、顧問税理士に相談してみるのも良いぜ!”
(中小企業庁:経営力向上計画認定の支援措置活用の手引き(R5年版))→こちら
(国税庁見解:法人:No.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除))→こちら
Q48.60万円以上の建物付属設備を取得する予定はありますか?
はい!の方は、これも、経営力向上計画の認定を受けるなどすれば、資本金3,000万円以下であれば、10%の税額控除若しくは購入価額を全額!費用計上できるぜ!
Q46で紹介した要件と合わせて、青色申告書を提出する①中小企業者等が、②指定期間内に、③認定を受けた経営力向上計画に基づき、④一定の設備を新規取得等して、⑤指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができるぜ!
建物附属設備であれば、60万円以上する資産であれば、
1.A~D類型の申請要件に該当する
2.経営力向上計画の認定を受ける
3.さっきの①~⑤の要件に該当すること、
その他にも細かい要件があるけど、それらをクリアすれば、上記、節税の恩恵を受けることができるので、税制支援措置活用の手引きを確認するのと、顧問税理士に相談してみるのも良いぜ!
(中小企業庁:経営力向上計画認定の支援措置活用の手引き(R5年版))→こちら
(国税庁見解:法人:No.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除))→こちら
Q49.70万円以上のソフトウェアを取得する予定はありますか?
ソフトウェアの投資による恩恵も、経営力向上計画の優遇措置である「中小企業経営強化税制」はQ46~48で説明している通りだけど、申請が間に合わないケースもあるぜ。その場合、投資をした事実が確認できれば、取得価額の30%の特別償却、又は、7%の税額控除が選択適用(税額控除は資本金の額等が3,000万円以下の法人、個人事業主のみ)できるから、下記、国税庁のURLを、要チェックだぜ!
(国税庁見解:法人:No.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除))→こちら
(国税庁見解:No.5433 中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除))→こちら
Q50.120万円以上の測定工具、検査工具を取得する予定はありますか?
はい!の方は、Q49.と同じく、比較的、手続きが簡便な「中小企業投資促進税制」の適用を検討だぜ!
こちらも、経営力向上計画の優遇措置である「中小企業経営強化税制」はQ46~48で説明している通りだけど、申請が間に合わなければ、投資をした事実が確認できれば、「中小企業投資促進税制」の適用も検討だぜ!これもQ49.と同じく、投資をした事実が確認できれば、取得価額の30%の特別償却、又は、7%の税額控除が選択適用(税額控除は資本金の額等が3,000万円以下の法人、個人事業主のみ)できるから、下記、国税庁のURLを、要チェックだぜ!
(国税庁見解:法人:No.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除))→こちら
(国税庁見解:No.5433 中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除))→こちら
Q51.160万円以上の機械を購入する予定はありますか?
はい!の方は、経営力向上計画の優遇措置である「中小企業経営強化税制」、それが間に合わなければ、比較的、手続きが簡便な「中小企業投資促進税制」を検討だぜ!
「中小企業経営強化税制」はQ46、Q47,Q48で説明している通りで、間に合わなければ「中小企業投資促進税制」で、要件はQ49,Q50で説明している通りなので、下記、国税庁のURLも、要チェックだぜ!
(国税庁見解:法人:No.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除))→こちら
(国税庁見解:No.5433 中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除))→こちら
Q52.車両総重量3.5t以上の、普通貨物自動車を購入する予定はありますか?
はい!の方は、比較的、手続きが簡便な「中小企業投資促進税制」を検討だぜ!
ここでいう、普通貨物自動車とは、道路運送車両法施行規則別表第一に規定するものを言うものらしいぜ。税制優遇はQ49、Q50で説明している通りなので、細かい要件は、下記、国税庁のURLも、要チェックだぜ!
(国土交通省:税制優遇対象車両)→こちら
(国税庁見解:No.5433 中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除))→こちら
Q53.特定の地方・地域にて、建物や付属設備を含む、2,000万円以上の設備投資計画がありますか?
はい!の方は、建物の特別償却や税額控除も認められる、「地域未来投資促進税制」を検討しようぜ!
地域経済の発展に資するものとして、都道府県知事から「地域経済牽引事業計画」の承認を受け、主務大臣から課税特例の確認を受けた場合、20%~50%の特別償却または2%~5%の税額控除を受けられるぜ。対象資産は、建物、附属設備、構築物、機械装置、器具備品が対象になってくるので、詳しくは下記、URLをチェックだぜ!
(国税庁見解:No.5436 地域未来投資促進税制(地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除))→こちら
Q54.自然災害や感染症予防のために計画している設備投資はありますか?
はい!の方は、「中小企業防災・減災投資促進税制」の利用を検討しようぜ!
国が、自然災害等への事前対策の強化を応援する趣旨で、「事業継続力強化計画」又は「連携事業継続力強化計画」の認定を受け、事業継続力強化設備等として当該認定計画に記載された対象設備の取得や製作等をした場合に、取得価額の18%(令和7年4月1日以降に取得等をする場合は16%)の特別償却が適用できるものだぜ!
これらも、かなり詳しい要件が設定されているので下記URLの、P26-P27をチェックだぜ!
(経済産業省:中小企業税制(R5年度版)P26-P27)→こちら
今回は、減価償却資産の中でも、少し手続きが複雑な節税策を紹介したぜ。結局は、税務調査に耐えうる入念な準備をしているか。これに限るぜ。
次回は、引き続き、減価償却資産の後編(応用編)をお届けするから、楽しみにしといてくれよな。