2023-11-10
第6回 節税・節保シリーズ ② その他経費 交際費、福利厚生費編!(損益計算書)
中小企業の経営者の皆さんに、より役立つ情報をお届けいたします。
前回からの続きで、下記の10個のカテゴリーに分けて70個前後の、お金が残る節税案をご紹介いたします!
損益計算書項目の、①売上・仕入原価、②給与、③その他経費項目、
貸借対照表項目の、④減価償却資産、⑤棚卸資産、⑥有価証券、⑦その他の資産、
組織的全般項目の、⑧税率・欠損金、⑨来期以降の決算に向けて、⑩M&Aの検討。
また、経済産業省が中小企業を後押しするために、国が公認している中小企業に優遇されていブログの概要欄にURLを
貼り付けておくので、顧問税理士さんのご案内が無い場合が多いので、見ておいてくださいね♪
令和5年度版:中小企業税制→こちら
Q24. 不動産業や卸売業など、交際費をある程度使う業種ですか?
Q25. 何が交際費に計上されているかチェックしていますか?
Q26. 従業員や役員の出張は多いですか?
Q27. 従業員へ食事の補助を支給される予定はありますか?
Q28. 年に1度、社員旅行を行う計画はありますか?
Q29. 社員販売・社員割引、作業服・制服の支給制度はありますか?
Q30. 健康診断・人間ドック費の補助制度を検討される予定はありますか?
Q31. スポーツクラブ会員、保養所や別荘の利用を検討されていますか?
Q32. 勤続表彰や結婚や出産などの慶弔費、育児・介護費用の補助の支給を検討されていますか?
Q24.不動産業や卸売業など、交際費をある程度使う業種ですか?
はい!の方は、従業員に対する交際費枠を廃止し(交際費の精算はしない)、その相当額を給与に加算して支給しようぜ。
個人事業では交際費の限度額はないけど、令和5年度現在、法人では800万円までしか経費に計上できないルールになっているぜ。この800万円を超えないようにするためには、法人における交際費ってのは何か知る必要があるぜ!
交際費っていうのは、得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他、似たような行為も含まれるぜ。だから、従業員に対するものは、会議費、若しくは福利厚生費で経理処理。
800万円を超えそうなくらい、従業員の接待が多ければ、従業員の給与として支給するなど検討しようだぜ。
(No.5261 交際費等と福利厚生費との区分)→こちら
(No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算)→こちら
Q25.何が交際費に計上されているかチェックしていますか?
いいえ!の方は、必ず、飲食が絡む接待の場合は、合計金額を一人当たりで割った金額がいくらになるのか、確認だぜ!
飲食を交えての打ち合わせの費用は、1人当たり、5,000円までは会議費として計上できるぜ。そのため、交際費の内容を見直し、会議費で処理できる経費まで交際費として処理していないか、必ず確認だぜ。
また、交際費に関してのQ&Aが、国税庁よりかなり詳しく出ているので、必ずチェックだぜ!
(国税庁:接待飲食費に関するFAQ)→こちら
Q26.役員や従業員の出張は多いですか?
はい!の方は、旅費規程を作成しようだぜ。
旅費規程は個人事業主は、従業員のみで事業主本人は適用できないけど、法人であれば、役員や従業員に適用できるぜ。具体的に適用する日当などの金額は、財務省が公開している、国家公務員の旅費規程の金額が参考になるぜ。
この金額以内で設定していれば、税務調査で否認される可能性は極めて低いぜ。この資料を参考に設定した金額が否認されるんであれば、国家公務員の旅費日当もどうなんだ、ってことになるからな。
出張旅費規程が、あるのと無いのとでは、次の表のような違いが出るぜ。
言うならば、定額で支給される部分が個人所得税が非課税ということになるということなんだぜ。
作成方法の注意点としては、① 就業規則に目的・ルールを定義する、② 社員全員を対象とし、役員のみを対象とせず、全社員を対象とし、旅費の項目を、交通費、日当、宿泊費、食事代であるという範囲を明確化する、③ 出張の定義を、「勤務地を起点として、おおむね100km以内を「近出張」、それ以上を「遠出張」とする」などとして、明確にする、④ 実際の出張に行った際の、出張申請書を作成し、仮払いと実費の精算を毎月行う。
この4点が凄く重要だぜ。詳しくは、顧問税理士に聞くか、僕の先生であるYoDo先生に問い合わせてみるのも良いぜ。
(2023年4月:国家公務員等の旅費制度の⾒直し)→こちら
(所得税法通達:非課税とされる旅費の範囲)→こちら
Q27.従業員へ食事の補助を支給される予定はありますか?
はい!の方は、税務上の補助の上限に気をつけて支給しようだぜ!
食事代を会社が補助する場合、① 食事代の半分以上(50%以上)を従業員が負担していること、② 会社が負担した食事代が月 3500円 以下であること、の2点が要件になってくるぜ!
詳しい具体例は、下記、国税庁のURLに記載があるので、要チェックだぜ!
(No.2594 食事を支給したとき)→こちら
(食事を支給したときの非課税限度額の判定)→こちら
(給与等とされる経済的利益の評価)→こちら
Q28.年に1度でも、社員旅行を行う計画はありますか?
はい!の方は、税務上、細かく要件が設定されているので注意が必要だぜ!
税務上、社員旅行を経費にしたい場合、① 全社員の半数以上が参加し、② 4泊5日以内で、③ 1人あたりの金額が10万円程度、の社員旅行であれば、全額を経費として計上できます。
※ただし、① 役員のみ参加、② 不参加社員への現金支給、③ 取引先招待はそもそも交際費など、該当すれば福利厚生費として経費計上できないので注意が必要だぜ!
これも、研修旅行の場合も踏まえて、詳しい具体例は、下記概要欄の国税庁のURLに記載があるので、要チェックだぜ!
(No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行)→こちら
Q29.社員販売・社員割引、作業服・制服の支給制度はありますか?
はい!の方は、税務上、細かく要件が設定されているので注意が必要だぜ!
従業員に対して値引き販売する場合は、一般販売価額よりも低い価額で購入することになるため、従業員は、当該差額分だけ「経済的利益」を受けていることになるぜ。だから、原則的に、現物給与として課税されるべきところだけど、次の3つを満たせば、社員割引は非課税でOKになるぜ!
① 会社の原価以上、かつ、販売価額のおおむね70%未満でないこと、② 従業員など全員一律で設定し、地位や勤続年数等に応じて合理的なバランスが保たれる範囲内の格差を設けていること、③ 値引販売する商品数量は、自己の家事のために通常消費すると認められる程度のもの、この3点に気を付ける必要があるぜ!
ちなみに、作業服や制服の支給の非課税制度もあるけど、スーツなどの背広の支給は非課税の対象からは
外されているのが、国税庁の見解なので、詳しくは下記概要欄の国税庁のURLをチェックだぜ!
(国税庁:課税しない経済的利益)→こちら
(国税庁:背広の支給による経済的利益)→こちら
Q30.健康診断・人間ドック費の補助制度を検討される予定はありますか?
はい!の方は、役員も従業員も経費にできるから、次の解説をチェックだぜ!
個人事業主自身は無理だけど、社内規程を設け、役員及び使用人の健康管理の目的で、全員について春秋2回定期的に健康診断を実施しているほか、成人病の予防のため、年齢35歳以上の希望者の全てについて2日間の人間ドックによる検診を実施しているなど、していれば、従業員には給与課税せず、そのまま福利厚生費で会社の経費として落とせるんだぜ!詳しくは下記概要欄の国税庁のURLをチェックだぜ!
(国税庁:人間ドックの会社の費用負担?)→こちら
(国税庁:人間ドックの費用は医療費控除?)→こちら
Q31.スポーツクラブ会員、保養所や別荘の利用を検討されていますか?
はい!の方は、役員や全社員が広く使えるなら経費にできるから、次の解説をチェックだぜ!
現在の健康志向、健康経営の社会の流れから役員だけでなく、全従業員を対象に利用させることを前提とすれば、スポーツクラブ等の会費は法人名義で経費にすることができるぜ。ただし、入会金などは契約によっては資産計上しないといけない場合もあるので、下記概要欄の国税庁のURLをチェックだぜ!
(国税庁見解:使用者が負担するレジャ-クラブの入会金等)→こちら
(国税庁見解:レジャークラブの入会金)→こちら
Q32.勤続表彰や結婚や出産などの慶弔費、育児・介護費用の補助の支給を検討されていますか?
基本的に全社員が適用できるものは経費に!そして、ベビーシッター助成金の非課税制度は覚えておこうぜ!
勤続表彰や結婚、出産などのお祝い金も就業規則等で定め、一定の要件を満たせば、経費になるぜ。この辺りも、下記概要欄の国税庁のURLをチェックだぜ!
また、育児・介護費用だけど、個人事業主やフリーランス自身は経費として落とすことは難しいけど、法人の企業内施設なんかで、利用できる場合や福利厚生施設としての保育施設であれば、全社員が利用できることを前提として、経費に落とすことが出来る可能性もあるぜ!
基本的に、こども家庭庁が推進するベビーシッター助成金などを活用し、経費にできない代わりに行政の助成金が出る可能性があるから、その助成金に対しては非課税とする措置が今のところ講じられているので、そのあたりもチェックだぜ!
(No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき)→こちら
(ベビーシッター派遣事業のご案内 [令和5年度版])→こちら
(内閣府:企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における「ベビーシッター派遣事業」の取扱いについて)→こちら
(No.2011 課税される所得と非課税所得:ベビーシッター助成金など)→こちら
今回は、交際費、福利厚生費に絞った節税策の基本的なことを紹介したぜ。結局は、税務調査に耐えうる入念な準備をしているか。これに限るぜ。
次回は、損益計算書項目では最後になる、経費になる税金や年払経費に関わる節税策を色々と紹介するぜ。